ここ10年の米国製衣類輸入価格と消費価格の分析
米国の輸入業者と小売業者は明らかに高いアジア生産コストを負担している。今年上半期、米国の既製服輸入価格は明らかに上昇し、10年ぶりの高水準だった。米国の既製服小売価格は同じ傾向に従っておらず、1年前の同時期の価格と比較しても下落しており、米国のブランドと小売業者の利益に影響を与えることは避けられない。アジアの生産コストの上昇と小売価格の低下に伴い、米国の衣類輸入業者は現在、利益低下の衝撃に直面している。
高い輸入価格
米国政府の過去6カ月間のデータによると、紡績衣類の輸入価格は前年同期比1%から3.1%上昇した。例えば、非ニット衣類(HS 62類)の輸入価格は4月に2.3%上昇し、昨年は1%増加しただけだった。
過去10年間、1999年から2006年にかけて紡績衣類の輸入価格は低下し続け、2007年には小幅に上昇し、2008年にはさらに顕著に増加した。ニットウエア(HS 61類)の輸入価格は、上半期に小幅に上昇したが、主に中米とメキシコの生産コストが安定しているためだ。
米国はアジアからかなりの数の梭織成衣を輸入しており、同時に市場に接近し、免税待遇を受けている中米ニット成衣輸出業者によって保護されている。2008年4月の紡績衣類類の輸入価格はついに10年前の水準に戻り、1999年同月の平均価格の3%を超え、ニット価格も10年前の水準に戻った。
低小売価格
今年上半期の既製服の輸入価格が明らかに上昇すれば、米国の既製服小売価格はその幅の増加にはるかに及ばない。
米労働省のデータによると、今年上半期の米衣料品消費者物価指数は1.9%下落し、過去10年の毎年の価格変化に比べて下落幅が深く、2003年上半期だけで2.1%急落した。昨年の既製服小売価格はわずか0.3%下落した。対照的に、2008年上半期の総消費価格は5.5%上昇し、食品やエネルギー部門を含まなくても消費価格は2.3%上昇した。
現在、米国では既製服の消費力が低下して小売価格に圧力がかかっており、輸入業者がアジアの生産コストの増加によって消費者に転嫁することは許されていない。
過去10年間、アジアの生産コストが低かったため、既製服価格が低下し、現在の米国の小売業者やサプライヤーの財務状況が悪化し、小売業の再統合を引き起こす可能性がある。
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